✭日焼け止め✭〜仕組みや使い方編〜
- 2020.05.22
- 更新日:2020.07.04
- 日焼け止め
- O/W型, PA, SPF, W/O型, サンタン, サンバーン, 塗り方, 日焼け, 日焼けどめ, 紫外線吸収剤, 紫外線散乱剤, 落とし方



紫外線をブロックする方法
日焼け止めには色々な原料が使用されています。
日焼け止めの一番の効果である「紫外線をブロック」するために、紫外線防止剤という原料が使用されています。
紫外線防止剤は「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の2種類に分けることができます。
紫外線吸収剤
紫外線のエネルギーを吸収して、熱などの別のエネルギーに変換する(化学反応)ことで紫外線をブロックします。
使用されている化学物質はケイヒ酸系、ベンゾフェノン系、トリアジン系など。
吸収剤が使用されてないものをノンケミカルと言います。
日焼け止めを塗る時に気になるのが「白浮き・きしみ」
紫外線吸収剤は、白浮き・きしみがないので使用しやすいです(^^)
多くのデータにより安全性が確認されていますが、まれにアレルギー反応が生じることも( ; ; )
肌が敏感な方は少量ずつ使用して、合うかどうか確認しながら使用しましょう。
紫外線散乱剤
酸化チタンや酸化亜鉛と言った微粒子粉体が含まれています。
この微粒子粉体が紫外線を反射することによってブロックします。
UVAからUVBまで幅広い紫外線を散乱することが出来ます。
かぶれるなどの肌トラブルが起こりにくいため肌が敏感な方にオススメですが、微粒子粉体が含まれてるため、塗った時に白浮きしやすいというデメリットもあります。
きしみについても紫外線吸収剤より感じやすいです。
SPFとPA
日焼け止めを学ぶ際、重要なのがこのSPFとPAです。
この2つを「サンケア指数」といい、紫外線(UVA、UVB)を防ぐ効果を分かりやすく示しています。
SPF
Sun Protection Factor(サンプロテクションファクター)の略。
UVB(サンバーン:赤くなる日焼け)の防止効果を表しています。
数値が大きいほどUVBに対する防御効果が高いです。
例えば何も塗っていない肌に20分UVBを当てると肌が赤くなるとします。
その肌にSPF30の日焼け止めを使うと
20分×SPF30=600分=10時間
約10時間程、肌が赤くなるのを防ぐことができます。
肌が赤くなるまでの時間については個人差があります。
日本人の場合、「色白:約20分 普通肌:約25分 色黒:約30分」でサンバーンを起こすと言われています。
SPFの時間でみるとかなり長時間効果があることが分かります。
しかし、実際には肌に触れたときや服が擦れたとき、汗をかくときや分泌された皮脂によっても落ちてしまいます。
効果を発揮するためには2時間おきに塗り直しましょう!
汗や水に強いウォータープルーフの日焼け止めでも同様です。

PA
Protection Grade of UVA(プロテクショングレードオブUVA)の略。
UVA(サンタン:黒くなる日焼け)の防止効果を表しています。
+が多いほどUVAに対する防御効果が高いです。
PA+(効果がある)
PA++(効果がかなりある)
PA+++(効果が非常にある)
PA++++(効果が極めて高い)
日焼け止めの種類
日焼け止めには色々な形状のものがあります。
形状 | 特徴 | |
乳化タイプ 乳液 クリーム状のもの |
|
O/W型:ウォータリージェルなどと記載してあることが多く、日常使い向けの日焼け止めに最も多い。みずみずしい。白浮きなし。SPF:低〜高ものまで幅広い。 W/O型:アウトドア向け、ウォータープルーフの日焼け止めに多い。耐水性が高く、商品によっては落としにくい場合もある。SPF:高いものが多い。 |
ローション オイル ジェル |
|
さっぱりとした使用感の商品が多い。 オイルタイプは耐水性に優れるが、ローション・ジェルタイプは耐水性に劣る。 紫外線防止剤をあまり多く配合できない。SPF:中程度以下のものが多い。 |
スプレー(エアゾール) | ![]() |
塗布する際、手につかないので使用しやすい。背中など手の届きにくい部分にも塗りやすい。ムースタイプのものもある。 気温が高い季節に使用する際は特に高圧ガス容器からの漏れや爆発に注意する必要がある。 |
スティック | ![]() |
塗布する際、手につかないので使用しやすい。塗布時の伸びが悪いので身体全体に使用するには適さない。 耐水性や紫外線防御効果に優れているため、鼻や頬などの日焼けしやすい部分の使用にオススメ。 |
シート | ![]() |
持ち運びや塗りやすさに優れる。日常使い向けの商品に多い。 汗拭きシートなどにも使用される不織布からできたシートに主に乳化タイプ(O/W型)紫外線防止剤を浸している。 |
※O/W型:水の中に油が分散した状態(例:牛乳)
W/O型:油の中に水が分散した状態(例:バター)
O/W型とW/O型の見分け方
①手の甲に塗る ②水で洗い流してみる
流れる→O/W型(外側に水分があるので流れる)
流れない→W/O型
日焼け止めを選ぶポイント
日本化粧品工業連合会より引用
・SPF、PAの指数が使用目的にあっている
上記の表を見て生活シーンに応じたSPF、PAの値を確認してみましょう。
日焼けしやすい方、紫外線を浴びることで肌が赤くなりやすい方はSPF、PAの指数が高いものを選ぶようにしましょう。
・使用してみて肌トラブルや違和感がないこと
敏感肌の方は紫外線吸収剤、着色料、香料フリーの製品をオススメします。

日焼け止めの塗り方
日焼け止めを塗る量について、SPF値とPA分類のガイドラインでは
「2mg/㎠」と規定されています。

目安として、以下の表を参考にしてみて下さい。
紫外線環境保全マニュアルより引用


多くの方が実際に使用している量より規定量の方が多くて驚かれると思います。
量をみると塗るのが大変と思いますが、適切な量を使用しないと効果を得られず、塗っても意味がない。。。ということになってしまいます( ; ; )
塗る時のポイント
肌を擦らないよう注意しましょう。
日焼け止めを肌に置くイメージでスタンプするように塗っていきましょう。
日焼け止めの落とし方
日焼け止めに使用されている紫外線防止剤はその効果がなくなってしまっても、肌に残っています。
残ってしまうと乾燥・ニキビ・炎症を招いたり、酸化してしまう事で肌に悪影響を及ぼします。
塗ると同じくらい「落とす」ことにも注意していきましょう。
「専用クレンジング不要」の場合
ジェルタイプや乳液タイプに多いです。
パッケージに「専用クレンジング不要」と記載されている製品は、石鹸やボディーソープで落とすことができます。
しっかり泡立てて、肌を擦らないよう優しく洗いましょう。
「専用クレンジングが必要」な場合
ウォータープルーフタイプに多いです。
「専用クレンジングが必要」と記載されている製品は必ず専用クレンジングかオイルクレンジングを使用しましょう。
まとめ

to be continued…
参考URL
参考文献
・安田利顕著、漆畑修改訂「美容のヒフ科学 改訂9版」南山堂 2010年 p.258
・川田暁著「美容皮膚科外来実践マニュアル」南江堂 2011年 p.171
・小西さやか著「日本化粧品検定2級・3級対策テキスト コスメの教科書 第2版」主婦の友社 2016年 p.157
・小西さやか著「日本化粧品検定1級対策テキスト コスメの教科書 第2版」主婦の友社 2016年 p.189
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